初めて約40キロを走りましたって話

 40キロを走る意味

40キロというと、東京駅から西に向かって走り出し八王子駅まで進むくらいの距離になる。

フルマラソンが42キロだから、それなりに長い距離と言えるだろう。

ジョギングを始めて、その間に20キロや25キロを走っているとは言え、まだまだ走力がないこみちが、勢いだけで挑戦するにはかなり無謀な部分もあった。

でも、腕にはスマートバンドを装着し、背中には500ccの水分、ポケットにはスマホを入れ、最近のスタイルで走り出した。

スマートバンドには、心拍数の他、累積の距離や1キロ辺りのペースが確認できる。

さらに事前に設定しておけば、例えばキロ8分を超えるとバイブで教えてもらうことも可能だ。

スマホの方では、地図アプリによって、現在地を確認できるし、イヤホンを接続すると、目的地までの音声ガイドにも使える。

クセがつかめれば、知らないルートを初めて走る時も役にたつ。はずだった。

走ったのは、2023年3月20日のことで、朝の8時半に家を出た。

最初から40キロを目標にしていたというよりは、まず20キロくらいを考えて走り出した。

こみちの場合、一般的なアスリートや健康志向の高い人とは異なり、苦しくなってからどれだけ前に進もうと頑張れるのかに趣きを置いている節がある。

逃げてばかりの人生だったから、「もう走れない!」と思ってからどれだけ頑張れるのかを自分自身で確かめたかった。

最初の10キロ、飛ばすと1時間くらい、でも実際には1時間20分掛かっていた。

長丁場になるからペースを抑えたのは事実だけど、思っていた以上に遅い。

これではキロ8分になるので、7分30秒くらいまでペースを上げた。

それでも40キロを走破するには計算上5時間必要になる。

走っているのは歩道だから、信号にも捕まるし、脇から出て来る車にも注意しなければいけない。

ところが、20キロを過ぎたあたりで、スマートバンドの表示が動いていないことに気付いた。

心拍数の変動も、ペースも一切分からない。

距離も表示されないから、どれだけ進んでいるのかさえ、目で確認できないのは、まるで闇の中を手探りで走っているようなものだ。

さらにスマホも調子悪く、日差しの下で見ると画面表示が薄くて、居場所が全く見えない。

走りながらでは役に立たず、仕方なく休憩を取って位置を確認しなければ行けなかった。

予定していたルート上で、大掛かりな工事があり、そこを走れないと分かって別のルートに変更するということも起こる。

5キロや10キロ走では起こり得ないことが、40キロにもなると次々に起こった。

暑さとペースを狂わされたこと、さらにそもそも体調が完璧ではなかったことも重なって、20キロ地点で4時間を消費していた。

経過時間はある程度正確な数値だが、距離に関してはその時には分かっていない。

ただ途中の目的地に到着したので、「20キロ地点」と想像したのだ。

なぜなら、スマートバンドの表示は途中から一切動いていないし、結局、家に帰ってからアプリで歩数と距離を確認できたけれど、その時はどれだけ走ったのか確認することはできなかった。

交通状況もあって、思うようなペースで走れていなかった気もするが、7分半のペース走っていたはずなのにという焦りと現実とのギャップにいつも以上の疲労感を伴った。

つまり、予定は前半20キロを2時間半のつもりが、実際には4時間掛かっていた。

迷っていろんなところを走ったからなのか、それともペースが相当にダウンしていたのか、今になってはgpsの履歴も残っていないから判断できない。

40キロ走に挑戦して感じたこと

信頼できる存在がどれだけ大切なのか分かる。

7千円で購入したスマートバンドは、低価格ながらいろんな計測もできたし、精神的に落ち込んでいたこみちにジョギングという楽しさを教えてくれた。

ただ熱暴走なのか、はっきりとした原因は分からないけれど、今回も計測が止まったように、それ以前も同じような誤作動があった。

例えば、40キロを走り終えた今、スマートバンドにあるトレーニング負荷や回復時間は明らかに数値が変で、トレーニング負荷は「不足」だし、回復時間は「0時間」のままだ。

この辺の数値は、10キロや20キロ走でもほとんど変化していないことが多く、最近は無視していたというか、信頼できていなかった。

もともと、スポーツ仕様ではなく、こんな機能も付いていますよという商品だろうから、日中の40キロ走に持ち出せる仕様ではなかったのだろう。

あるトレイルランナーがyoutube で、「どのスマートウオッチが良いのかの基準は、それをどこまで信頼し切れるかで選びたい」という趣旨を話していた。

その方は40キロどころか、100キロ以上の距離を山道で走り切るランナーだから、天候や気象条件で表示が止まってしまうスマートウオッチなど、相棒には選べないだろう。

スペック的に、どれだけ素晴らしくても、本番で機能しなければ全く意味がない。

ファッション的にカッコいいスマートウオッチもいいけれど、長い距離を安心して走り切るためのスポーツウオッチとしては、見た目のカッコ良さではなく、基本スペックの信頼性がとても重要になる。

多分、Garminのスマートウオッチが多くのランナーに支持されるのは、それだけ信頼性が高いからだろう。