現役の介護士だから言えること
現役の介護士だから、少し無責任な話をします。
中高年の方々で、何らかの事情があって仕事を探している人は、少し耳を貸してください。
結論を言ってしまえば、「介護士ができるなら、どんな仕事でもできる!」です。
それくらい、「介護士」の仕事は大変です。
実は最近、知り合いが求職活動をしていて、「介護士ってどうなの?」と訊かれました。
こみちとしては「他の当てがあるならそれからでも遅くないよ」と答えたのですが、ある施設の採用面接を受けて働くことになったと言うのです。
しかも、すでに初出勤も済ませて、「「遅くない」の意味が分かった」と言っていました。
つまり、それくらい覚えること、身につけること、中高年だからと言う年齢の差がないだけに、若い人と同じペースで覚えるのは容易ではありません。
しかも、来週には「夜勤」まで始まると言うのですから、シフト勤務特有の体調管理も必要になってきます。
外国人労働者が介護士を担うとどうなるのか?
外国人労働者が介護業界に入ってくると、中高年の採用枠が減らされて求職活動が大変になると考えたことはありませんか。
しかし間違いなく、異国から日本に来て、育った環境も全く異なるこれまでの生活歴も分からない高齢者を介護してくれるのは容易ではないでしょう。
少しくらい賃金面で優遇されたとしても、まだまだ介護士の社会的地位はこれからで、いわゆるキャリアパスが始まったばかりとも言えます。
これから介護業界で活躍するには、「介護福祉士」の国家資格が必須でしょう。
もちろん、初任者研修等でも現場で働くことはできますが、介護士の仕事が大変な理由は「接客業」であり「現場仕事」だからです。
自分のペースで仕事を進めるのではなく、利用者の様子に合わせて仕事しなければいけないので、どうしてもスピードやタイミングには敏感でなければいけません。
中高年のこみちは、割に体力には自信があったのですが、それでも毎勤務の終了近くになるとヘトヘトです。
それくらい精神的にも肉体的にも疲労してしまうのは、相手に合わせて仕事をしなければいけないもどかしさがあるからです。
今年は大丈夫でも、来年、再来年も大丈夫かと考えると、働き方を見直さないといけない時期が必ず来ます。
そう考えると、介護士として慣れない仕事を始めても、そのまま70歳までしっかりと働き続けられるかは分かりません。
つまり、外国人の方が日本で働いてくれるなら本当にありがたいことだと思います。
そして、我々が介護経験を積むことができたら、まだ若く元気な彼らに助けてもらいながら、1日でも長く働けるようにしたいものです。
介護系の学校を卒業し、そのまま介護業界で働き始めた若い人は、もしかすると「仕事は大変なもの」とは思っていないかも知れません。
なぜって、介護士の仕事で仕事を覚えて行くので、それが当然で当たり前だと感じるからです。
しかし、異業種での経験があると、高齢者の健康や生命を預かる仕事は「ミスしました」では済まされない緊張感があります。
こみちはまだ大きな事故を招いていませんが、別の施設では利用者が転倒し骨折したことで、歩行レベルを大きく低下させてしまったと言う話でした。
でも、ずっと利用者一人と見ている余裕はありません。
気をつけていても、一瞬の間ができてしまいますし、その時に起こった事故によっては「自分は介護士に向いていない」と思うほど落胆してしまう人もいます。
介護士の仕事はすべてをコントロールすることができないので、とても大変なのです。
ましてスピードや体力に余裕があれば、超えられることも、中高年になると無理がきかないので余計にもどかしく感じるでしょう。
その意味では、介護士として勤まるくらい頑張れるなら、別の業界や仕事でも、十分に成果を挙げられるはずです。
それくらい介護士として働くことは、責任も感じますし、不甲斐なくて凹んだりもします。
そこまで聞けば、求職活動も楽になる!?
なぜって、求職は自分の頑張り次第で結果につながりますし、タイミングもある程度は自分で決められます。
もちろん、介護士として仲間になってくれたら嬉しいことですが、たとえ働いて1日しか持たなかったとしても仕方ないとしか思いません。
3ヶ月くらいは本当に必死でしたし、家に帰ってからも仕事のポイントを練習したりして、職場のことがずっと頭から離れないほどでした。
そこまで努力できるなら、別のことでも上手くいくはずです。
こみち場合、ノマドワーカーを続けたかった一方で、仕事量の安定を考えて介護士へと転職しました。
コロナ禍になっても仕事ができる意味では本当に助かっていますし、介護を通じて本当に多くのことを学ばせてもらったとも感謝です。
でも、もう一度、最初からできるかと言われたら、やはり入職してしばらくは大変だったとしか思いません。
求職活動は不安もあって、焦ることもあると思いますが、だからといって「介護士」を逃げの手段に使うのはやめた方がいいですよ。
びっくりするくらい仕事もあって、逃げ出したくなるからです。
この仕事しか無い。逃げたら振り出しだ。
そんな意地みたいもので、またみんなに助けられて、どうにかここまで来られたと言う感じです。
知り合いが介護士を始めたと聞いて、楽しくなってくれたらと思いつつ、無理はして欲しくないとも感じます。