介護士として働く場合
初めて介護施設で働くために就活しているのであれば、「施設見学」をたくさんしましょう。
明らかに希望とは異なる場合を除いたとしても、同時期に複数の施設を回った方が良いくらいです。
と言うのも、自分が理想とするような完璧な施設はどこにもありません。
おすすめしたい施設とは「優先したい条件を満たしている」と言う場所だと思います。
特に働くうえで根幹となる部分が自分のイメージと合っていなければ、それだけ大変に感じますし、長く働くことにも苦労するからです。
「施設見学」をする時のポイント
いろいろなポイントがあります。
特に利用者として選ぶ場合と、職員として働く場合でも異なります。
今回は職員としてのポイントを考えていますが、「その職場で働いている自分を想像できるか?」と言う点でしょう。
初めて介護士として働く場合、そうは言っても戸惑いや不安もあって、簡単にイメージできないこともあります。
しかしそんな意味ではなくて、例えば職場を見学した時に職員同士、職員と利用者が程よい関係で談笑しているような場面を見られれば、初心者の自分が働けるイメージを持てるかも知れません。
スタッフが慌しい雰囲気で、表情もどこか硬く、例えばそこに自分がいると考えた時に質問や確認がし辛いと感じたら、楽しく働くイメージは浮かばないでしょう。
介護施設の場合、見学を案内してくれるのが、現場スタッフとは限りません。
介護服ではなく、スーツや事務服だったりすれば、確かに施設の関係者ではありますが、日常的に現場作業に関わらない人と言うこともあります。
そんな人が担当すると、意図的では無いにしても現場のトラブルや問題点を事前に説明してくれることはありません。
むしろ、形式的に伝えてくれるので、実は知りたいと思うことを詳しく知らなかったりもします。
そんな時に、ちょっとしたタイミングがあれば、現場スタッフに「楽しいですか?」と聞いてみましょう。
たまたま聞いた介護士の経験値や性格、その職場での立場などでも、答えの信ぴょう性が異なりますが、少なくとも実際に働いている人からの「生の声」を聞くことができます。
先に紹介させてもらうと、人の様子や態度を見て、その人の気持ちや心理状態を掴むことは介護士が重要視しなければいけないスキルの一つです。
つまり、これから介護士として働くことが向いているかいないかのポイントは、短時間だとしても「ここなら頑張れそうだ!」と思えるかどうかが分かる人でないと、働き始めてから苦労するでしょう。
しかし、完璧に理想となる施設はなく、誰もが不便や不満を抱えて仕事をしていることに変わりはありません。
そこで、「働いているイメージができる」と言うことがとても大切なのです。
「スタッフは不足していますか?」と聞いてみましょう
特にふとした時にそんな質問を投げ掛けてみましょう。
「そうですね。もう少し募集したいです」
どんな答えが返ってくるのかは分かりませんが、スタッフ不足が顕著な場面、どうしても入職者を早く育てたいと思っています。
それはつまり、即戦力とは言わないにしても、1日でも早く仕事を覚えて欲しいと思っているのかも知れません。
分からないことは、しっかりと確認できるような性格なら問題ありませんが、どこか聞きにくいとか、初めてだからゆっくりと仕事を覚えたいと考えているなら、その職場が理想なのかもう一度考えてみることです。
そんな場合でも研修制度などが確保されていれば、また状況が異なります。
ただ、OJT(現場で作業しながら仕事を覚えるスタイル)のような場合、どうしても基本から説明することは難しく、本当に全くの未経験者では少し苦労するかも知れません。
こみちの場合もOJTでした。
一つずつを覚えるのではなく、いろんなことを同時進行するスタイルなので、覚えることが増えてしまい、後から説明をまとめ直したりしないと、混乱し全く身に付かないと言う結果も起こり得ます。
3日でも1週間でも、現場仕事を徹底的に学べる時間を設けている施設の方が大変に感じるかも知れませんが、後々を考えると働きやすいはずです。
報酬額や勤務時間も大切だけれど
例えば「介護福祉士の人はたくさんいますか?」そんな質問をしましょう。
そして、「この施設で働いて資格取得された人ですか?」と。
この質問には2つの意図があって、その1つが資格取得に前向きか否かということが分かります。
介護施設は初任者研修だけでも働けるので、それ以上資格取得を目指さない人も一定数います。
また、施設で資格手当てを明確に分けていないと、スタッフも必要性を感じなかったりするからです。
もう1つは、長く勤務する人が多いかどうか。
それはつまり職場への不満が多いか否かを間接的に聞く質問です。
「資格取得」に関わる質問を受けた時、そこに力を注いでいる施設なら、受験対策や受験実績などをしっかりと説明してくれるはずです。
なぜなら、それはスタッフとして働く人も知りたいと思うからです。
しかし、「そうですね。そんな人もいますよ」と言うぐらいで話題を変えてしまうような場合、もしかすると資格取得を重視していない、またはそこまで環境が整っていないと考えられます。
このように、施設見学を積極的に増やし、現場スタッフとの接点を持ち、そこで働けるイメージが湧けば、その時に労働条件で納得できるか検討しましょう。
報酬が高くても、イメージと相違が大きすぎると、働き出してから苦労します。