石の上にも「3年」って言うけれど

 介護福祉士を受験する条件

中高年の方で、これから新しく仕事を探している人の中には、「介護職ってどうなの?」と思われる人もいるでしょう。

介護の仕事を簡単に説明しておくと、日常生活に何らかの支障が生じた高齢者や障がい者に対してサポートを行うことです。

もう少し踏み込むなら、何でもしてあげれば良いということでもありませんし、かと言って強い口調で強いるようなことでもありません。

高齢者や障がい者の方を利用者と呼び、彼らが求める未来像に向かって手助けすることが求められます。

もちろん、介護職には禁止されていることをお願いされるかもしれません。

「できません」というのも答えですが、「こんなやり方ではどうですか?」と代案を提示することも仕事となります。

介護の仕事にやりがいを感じる方の多くは、そんな「介護」の奥深さに惹かれるのでしょう。

介護施設で介護職として働く人は、初任者研修や実務者研修を修了している場合がほとんどです。

中には資格を取りながら働く方もいます。

さらに、介護職として働く中で、その実情を知り、看護師を目指したり、作業療法士などを志すなど、より専門的な分野へと進む方も少なくありません。

また、国家資格でもある「介護福祉士」を目指す人もいて、その場合には先にも紹介した「実務者研修」を終える他に、介護施設に丸3年以上在籍し、トータルで540日以上の勤務が必要です。

石の上にも「3年」の意味

個人差はありますが、こみちの実体験や他の人を見て思うのは、入職後1ヶ月〜3ヶ月くらいで、トイレ誘導や移乗などをマスターするでしょう。

中にはオムツ交換までマスターしている方もいます。

その中でポイントになるのは、重い身体のどこに力を入れれば安全に動かせるかを学ぶことです。

当然ですが、身体の大きな男性は力があるので簡単にできることも、小柄で華奢な人はしっかりとテクニックを身につけないと自分の身体を壊してしまったりします。

ただ、体重の重い利用者でない限り、女性でも移乗させることは可能です。

介護的には、ボディメカニクスという言葉で学びますが、研修中にしっかりと身につけておけば、現場に出てから楽でしょう。

半年を過ぎ、又は1年が経過する頃になると、誰かから指示を受けなくても仕事ができるようになっています。

もちろん、確認するべきことや連絡しなければいけないこともあるので、全てを自己判断で行うことは危険です。

2年を迎える頃になると、利用者毎に異なる介護ができるようになり、より個別ケアができる介護職へと成長していることでしょう。

同時に、その頃になると後輩も現れて、質問されることも増えるので、改めて「介護の基本」を学び直す機会にも恵まれます。

また、介護福祉士の受験資格を得られる「実務3年以上」の条件が目前となり、自身が働くだけでなく、介護施設として、利用者として、スタッフとして、などなど様々な視点から「介護職」の在り方を考えられるようになってくるでしょう。

実際、介護職として3年以上在籍するとなると、腰掛け気分では務まりません。

しっかりと腰を据えて働く必要がありますから、本業の片手間感覚では大変な部分も多いでしょう。

その一つが、介護職の勤務体制です。

介護施設もいろいろありますが、24時間365日稼働している施設では、日勤以外に早出や遅出、さらに夜勤といろいろな時間帯で勤務します。

また、年末年始や大型連休も関係なく、異業種の人とはライフスタイルが合わないことも出て来るでしょう。

精神的な疲労もありますが、肉体的にもかなり疲れるので、健康管理が不可欠な仕事とも言えます。

もっとも、介護職に限らず、異業種だったとしても「3年以上」頑張れたら、1つの壁を乗り換えたと言えるでしょう。

というのも、「できる」か「できないか」ではなく、「安全か」「そうではないか」と、働く時の意識でも変化が生まれるからです。

中高年の方には介護職をオススメしたいですが、若い世代や介護以外の仕事だとしても、「3年」を目標に頑張ってみても良いのではないでしょうか。