「介護現場」という空間
介護現場というと、介護士たちのベースとなる「ステーション」とフロア、さらに利用者たちの居室で構成されます。
従来型の介護施設では、利用者の居室が四人部屋になっていたり、部屋にトイレはなく廊下に設置されていたりします。
一方、ユニット型の場合、利用者にはそれぞれ個室が割り当てられ、室内には専用トイレも完備されています。
大人数が共同で生活するスペースの場合、トイレに行きたい時は空いていそうなトイレを探すことから始まります。
稀に、トイレの前でケンカが始まり、どっちが入るか否かで言い争う姿も見られます。
一方のユニット型の場合、浴室は共同かもしれませんが、トイレを誰かと争うことはないので、気兼ねなく使用できるのがポイントです。
人の社会的立場はどこで決まるのか?
社会的立場と聞くと、尊敬される職業に就いているとか、高い年収を得ていると想像するかもしれません。
しかし、それも一つの尺度ですが、もっと別のポイントがあると思います。
それが、「自立度」という見方。
例えば高齢者の場合でも、その人に「専用」が割り当てられていると、人は目の前の生活でも「選択権」を持っています。
一方で、誰から与えられることを待つしかない人は、与えてくれそうな場所や時間になると動き出し、時にはくれそうな相手に「作り笑顔」すら浮かべます。
もちろんそれが悪いと言っているのではなくて、例えば高収入で誰からも羨まれて見えるけれど、実は特定の相手には選択権などなく、むしろ言われ放題でも笑顔を保っていなければいけないこともあるでしょう。
それも社会で生きていく技ですが、そこまで我を失ってしまうのは真似できないという人もいれば、それでも「高収入」であれば良いと思うかは、人生に対する思いや価値観の違いに関係します。
誰かに「奢られる」とは、「自立度」という観点では自分で失う方法に進むことを指します。
何の理由もないのに、ある人から三度でも「奢られる」と、いつしか呼び方も変わり、「〇〇さん」から「〇〇!」と呼び捨てに変化しているでしょう。
つまりは、「対価」となるものが何なのかも分からずに、誰かから奢られることは、社会的には立場を落としていることと同じです。
組織内での「立場」
「直接、その人に雇われている訳ではない!?」という理由で、相手に対等だったり、強い口調で負け時と言い返す人がいます。
しかし、ポイントは雇用関係ではなく、組織という特性によります。
つまり、組織内にいる人は、少なくとも会社組織内のメンバーとも言えます。
その人に対して、合理的な理由もなく敵対的な態度をとれば、組織としては「評価」に影響が出ます。
それがたとえ雇用関係になかった相手でも、組織内ならつまらない所で、安易に揉めるべきではありません。
無理難題を押し付けられそうな時は、「上司」や「組織」という立場を経由させて、話を進めるべきでしょう。
中には「それくらい自分でも判断できるだろう?」などと言って、組織内ではなく、個人的な案件として任せてくることもあります。
そんな時も「部署内で確認させてもらって、回答させていただきます」というスタンスを保つべきです。