優しいスタッフたちが待っていた!?

 久しぶりの職場にて

出勤するまで、まるで初めての職場に向かうような心境でした。

上手く馴染めるか。嫌な人はいないか。怖くないか…。

忙しい職場なので、あれこれと話をしている時間はなく、なんとなくいつも通りに配置について仕事に取り掛かります。

少し違うのは、利用者から「久しぶりね!」とか「何かあったの?」と心配してくれる言葉があったこと。

その度に、「風邪をひきました!」と説明させてもらいながら、「みんな優しいなぁ」と感じていたのです。

段々と仕事も進み、自分でもいつも通りのペースかなぁと思っていたら、感覚以上に時間を掛けてしまっていて、見えないところでスタッフからのフォローを受けていました。

あからさまに手を出すのではなく、分からないように目標値を設定してくれるという方法で、しっかりアシストされていることに気付かされます。

一方で、利用者たちの様子はというと、特に認知機能の低下が見られた人たちは、症状が進んでいるように思えます。

物取られでトラブルになったケースもありましたが、またそんな気配が出てきた利用者の1人は、「無くなった。誰かに取られてしまった!」と騒いでいました。

新たな入所者もいます。

軽くあいさつをさせてもらいましたがとても感じの良い人です。

今日、数回話しただけですが、すでに顔見知りくらいの関係になれたように思えます。

一方で

コロナ禍の影響なのか、介護保険制度によるものなのか、施設の入所者が減っています。

関連する施設でも似たような傾向にあり、現場スタッフではなく、もう一段上の管理職たちは頭を悩ませているようです。

というのも、きめ細やかなサービスをウリにした施設が一駅隣にできて、とても評判が良いと聞きます。

現職の方なら分かると思いますが、介護保険制度の仕組みから、入所する利用者以上に売上を上乗せするのは大変です。

となると、決まった利益にどれだけギリギリまでコストを掛けて行くかが、施設間の競争になる部分です。

その意味では、客離れが進む施設というのは、コストパフォーマンスが悪いということになるでしょう。

ただ、この辺りの工夫というのは、現場の介護士の努力よりも、施設方針や相談窓口の担当エリアで、以前から自社内の対応に改善策を講じてこなかったという指摘は何度か耳にしたことがあります。

以前、別の会社に勤めていた頃、営業マンの1人が「この仕事、絶対に欲しい。そうじゃないとみんなを路頭に迷わせてしまう」と話していて、まだ若かったこみちは「オーバーな」と笑っていましたが、今にして思うと、「仕事をもらう」ことがどれだけ大変なのかを思い知らされます。

相談窓口が、とても上品な応対をしても、客はそのどこかに「この施設はだめだ」と感じさせる部分が出てしまいます。

馴れ馴れしくてもダメですが、営業マンの手腕はマニュアル化できるようでできない「最重要機密」と言ってもいいほど、利益に直結するノウハウだと思います。

やり直しが利きませんから。

介護士として働くこみちにとっては、つまり「経営コンサルタント業」の部分に乗り出すつまりはありません。

むしろ、今の施設で働く意味は、オムツ交換の部分で、結果を残せたらと思っているからです。