これからどう生きるべきか?

世間のスタンダードを再確認


転職を考えたのは、40歳を過ぎてからでした。

大きな夢を持っていたと言うよりも、60代70代になってどう生きていけば良いのか考えた結果です。

よく、転職を考える時、「過去の経歴や自分の強み」を見直すことを勧められます。

事実、こみちだって、そんな内容をこのブログでも紹介したように思います。

転職活動を始める人にとって、何ができるのか、したいのかを見つめ直すことに無駄はないでしょう。

ただ、そんな一般論の前に、知っておくべきがあると気づきました。

それが、今の世間の「スタンダード」を再確認しておくことです。

突然ですが格闘技は好きですか?


リングに立つ2人の選手。

ゴングが鳴ると間合いをはかりながら、距離を縮めて自分の得意なポジションで「技」を繰り出します。

どちらかの選手は、相手の気迫や力量を肌で感じ、自身の実力の無さを痛感することでしょう。

決定的なダメージを受けてリングに倒れ込むこともあれば、時間内はどうにか持ち堪え、判定で敗れる場合もあります。

格闘技が危ないスポーツか否かは別の機会に触れるとして、「強い者が勝つ」と言う視点からも少し離れてみましょう。

近年の格闘技は、試合だけでなく、選手の練習風景やその人なりを知ることができます。

その際、彼らは強靭なポテンシャルを秘めるだけでなく、「対戦相手の分析、試合プランの作成」によって勝利を掴んでいます。

自分なりのトレーニングを済ませてリングに立ち、ゴングが鳴って作戦を考えるスタイルは終わったのでしょう。

むしろ、試合は事前の計画をいかに緻密に遂行できるかのパートです。

想像以上に相手の動きが良く、想定したトレーニングが有効に働かない時に、セコンドからのアドバイスもあって修正していく場所なのです。

格闘技と仕事の意外な共通点


仕事探しをする時、我々はまだ過去の仕事風景をイメージして、自身のキャリアを評価してしまうことがあります。

例えば、「絵が描ける」と言うスキルは、長年の訓練がなければ身につきません。

それだけに、「絵が描ける」と言うことにそれなりのスキル(評価)を期待するでしょう。

一方で、スマホが常時携帯される世の中です。

写生などできなくても、パシリと1枚撮影すれば詳細な情報を手に入れられます。

また、写真をもとに、イラスト風のアレンジだってアプリさえ見つければ一瞬の作業でしょう。

「絵が描ける」と言う工程を評価するなら別ですが、「イラスト」が必要なだけなら、以前とは異なる方法で入手できるのが今の時代です。

パンチやキックの威力を上げるために、プロのアドバイスは効果的です。

重心の置き方や回転運動のポイントなど、素人とは異なる専門的な指導が期待できるでしょう。

ある意味で、専門職の強みは「このプロセス」を経験している点です。

一方で、成果(試合なら勝利)を上げるなら、問題解決策の分析と戦略が不可欠です。

この部分は、スキルではなく、マネジメントの領域になるでしょう。

ストイックな練習をしながらも、試合では苦汁を舐めることになってしまう選手がいます。

我々で言えば、勉強したのに資格試験で不合格になってしまうようなものでしょう。

つまり、現代の職探しでは、「スキル」は大前提であり、「マネジメント(分析やプランニング)」の部分がより問われるようになったのではないでしょうか。

その原因は、スキルそのものが習得しやすくなり、以前とは異なる方法でも同じような結果を出せるようになったからです。

例えば、写真と見間違えるクオリティーの絵を描くなら、「ライブ」などで描いている過程も添える必要があるでしょう。

なぜなら、トレースすれば、こみちくらいの腕でも「写真」に似たクオリティーに近づきますし、それを「絵が描けるスキル」と呼んでいいのかは個人の見解に委ねられます。

もちろん、だからと言って写真のような絵を否定しているのではなく、今はスキルと一緒に見せ方や表現方法が問われるようになったのだと思うのです。

格闘技の選手として活躍している人の中には、「相手の癖やパターン」を指摘する人がいます。

それ自体に大きな問題があるのではありません。

しかし、人間故に完全には消しきれない特徴が、「漬け込むスキ」になり得るのです。

その意味では、気になる会社に応募して、面接で自己アピールが上手くことだけではどうにもならない時代かも知れません。

期待されているのは、その先の「展開」だからです。

「好きに煮るなり焼くなりしてください」ではなく、「こんなに旨みのある人材ですよ!」までどうプロデュースできるかなのです。

中高年になってからの転職で、こみちが何度も玉砕した理由もそこにあったのでしょう。

でも当時はそこまで気づかず、「なぜ、決まらないの?」と不安になるばかりでした。

巷の新製品を見ても


本当に企業が出す新製品の質には驚かされます。

以前なら「上位モデルでは?」と思える品質が、廉価版だったりします。

さらに上位モデルでは、考えられないような機能が装備され、満足度も高いものになっています。

しかし、それが評価されて、コスパがとか耐久性がと言われる時代なのです。

冷静になると中高年のこみちが、どんどん青ざめるのも仕方なかったのでしょう。

ここからが大切な部分


時代に考え方が追いつかないなら、一度時代に身を任せてみましょう。

まずは理屈ではなく、目の前の仕事を一生懸命にこなしてみる。

そして、時代に慣れて来たら、周囲に目を配り、ニーズを探すことです。

「こうなれば便利なのに?」に気づいたら、それがどうすればできるのかと掘り下げましょう。

場合によっては、理由が分かりこともあります。

さらに、その理由に「でもね?」と気づくかもしれません。

そんな風に分析と戦略を考えるために、ベースとなるスキルがあることも再確認しておきたいポイントです。

裏付けのない分析や戦略の共感してくれる人は少ないので、ベースもまた次に進むためには欠かせないものだったりします。