地方で介護士として働いた経験から「自己の強み」を考える

介護士を経験して気づいたこと


首都圏の介護施設の中には、良くも悪くも組織としてシステマチックな所もあるようです。

なぜ、そんな風になるのかを考えると、こみちが「介護士」に感じるある共通点と重なります。

感じている共通点とは、「パソコン操作」が苦手な人が多いこと。

「エッ!? そんなこと?」と思われるかもしれませんが、そうなのです。

しかし、パソコン操作というとエクセルやワードが使えることをイメージされるかもしれません。

そう言った意味での「パソコン操作」ではなく、「目的設定に対して必要な操作を見つけ出す」思考を巡らせる「習慣」です。

多分、それは「マネジメント」とも呼ばれることなのでしょうが、最近はこのスキルが求められていると強く感じます。

決してこみちもパソコン操作が得意ではありませんが、必要な操作はいろんな手段を使って見つけ出します。

具体的には、インターネットの活用ではないでしょうか。

「何ができて、どこが分からない」という状況を「キーワード」として検索すれば、必要な答えにたどり着くことができます。

言い換えれば、全ての作業をマスターしていなくても、たまに使うくらいならそれでも十分に事は足りるでしょう。

さらに言えば、介護士としてこみちよりも手早い人は大勢います。

こみちは不器用なので、衣類の着脱など手際良さでは他の介護士たちに勝てそうにありません。

一方で、そんな介護士たちが「パソコン操作」を苦手としているのは、パソコンに興味がないのもあるでしょうが、パソコン操作に不可欠なプロセスを普段から使っていないことの現れででしょう。

介護の仕事はそれだけ「現場経験」で補え、勤務している施設の方針や環境に依存されていることになるのではないかと感じます。

「なぜ、そうなのか?」

と感じた素朴な疑問を、実際に改善へと導くことが少ない仕事なのかもしれません。

別の言い方をするなら、パターンを覚えてしまえばあとは「繰り返し作業」ということです。

介護士の仕事


最近、介護士の仕事って何だろうと考えることが増えました。

その時々の気持ちで着眼点も違いますが、「利用者の支援」であることに相違はないでしょう。

一方で、介護士の仕事は精神的にも体力的にも求められます。

勤務終盤になると、動きたくないくらい疲れるのは、それを物語っているのでしょう。

しかし、中高年の我々がより長く働ける環境を見つけるには、今のまま介護士を続けていいのかとも感じます。

若い介護士のカバーを受けながら、できることだけを続けられるなら中高年でも介護士を継続できるはずです。

でもそれは環境を誰かに整えてもらった上での話で、施設側の方針が変われば我々は行き場を失うことでもあります。

理想を言えば、長く働くには自立できるだけのスキルが不可欠で、そのために何をしていけば良いのかを考えるべきです。

つまり、「パソコン操作」が必要ない職場ということは、パソコン操作を苦にしない人にとっては「強み」を活かせる部分もありますが、場合によっては「除外」させてしまうことでもあるのです。

「できる」は最大限に活かさないと、自身の思うような環境を作れないと思うので、例えば「あれこれ調べてまとめること」が好きなタイプはそれが使える仕事を探すべきなのでしょう。

実際、介護現場では、組織化された介護を目指していると思います。

一人の介護士が広いフロアを行ったり来たりするよりも、複数の介護士が掛け合いながら利用者支援した方が効率的ですし疲れません。

そのためには、個々のスキル向上が不可欠ですし、一般的なケアを行えるようになっていることが求められます。

理想を言えば、介護士全員が介護福祉士を取り、または目指していて、それに対して施設サイドも手厚いサポートを行えるといいでしょう。

それを考えると現状の「介護保険制度の範疇」で賄えるのかも気になります。

現状、施設内で介護士が歌を歌っても、それはレクリエーションです。

しかしながら、本当に心地よい歌が歌えるプロの歌手なら、「歌うことが報酬」を生み出します。

ある意味で介護士の仕事は何をしても「介護保険制度の範疇」であり、先のパソコン操作もまた特別な報酬には繋がりません。

専門家ほどのレベルは求められませんが、評価もされないという点では、現行の「介護士」では大きく稼げないことも知っておくべきでしょう。

介護士を目指す魅力


コロナウイルスが流行しても、介護施設の勤務は継続されています。

それは入所者の暮らしを支えなければいけないからです。

もしもそれさえも禁止されて、入所者が自宅に戻されるとなれば一大騒動でしょう。

介護の仕事ができれば全国どこでも働けますし、雇用がなくなることは少ないと思います。

ただ、異業種で働いて来た人たちが、安定した職場を求めて介護にくることも増えるでしょうし、不足している介護士が増員されることも考えられます。

介護の仕事ができれば、人の生活に密着したサポートが可能となり、どんな年代になっても仕事があるのは心強いことでしょう。

また、「生活に密着」した仕事だけに、食事や体操、余暇など、ありとあらゆる方面に発展させることが期待できます。

例えば建築士なら、介護経験が有ることで本当に必要な設計が可能でしょう。

介護は知っていて無駄にはならない経験なので、チャンスがあれば施設見学だけでもしてみましょう。

介護現場がどんなところで、そこで働く人がどんなことをしているのかを知るだけでも、これまでとは異なる経験になるからです。

職歴を持たない若い人も良いですが、異業種での経験が有る中高年ほど介護経験を将来的に活かせると思います。

コロナウイルスによって社会のシステムが休止する中、介護業界の強みを感じるのはこみちだけではないでしょう。