できる介護士と頑張る介護士

事務作業としての割り振り


介護施設では効率的なケアを実施するために、細かなスケジュールが割り振られています。

時間単位で、何をしなければいけないかを介護士は理解していなければいけません。

実際の介護現場では、新人さんやお決まりの介護士が、フロア内をフラフラとしています。

その理由は、「今、何を優先しなければいけないのか?」を知らないからです。

実はこみちの勤務する介護施設で、スケジュールの見直しがありました。

仕事が重なる時間帯を別の時間に移動させ、全体の負担を軽減させる目的です。

しかし、その内容というのは、新人さんやお決まりさんはそのままで、回りの介護士がカバーするという内容なのです。

以前なら、ある時間帯は大変でも、それを乗り越えれた後半は割りと時間に余裕が持てました。

ところが、ある時間帯がわずかに軽減され、後半にもピークが来るようになったのです。

管理者としては、安定した業務になったと手応えを感じるかも知れません。

しかし、動く介護士の仕事が増えたに過ぎず、根本的な改善ではなかったのです。

介護士の報酬は、資格手当てなどに違いがあっても、倍ほど変わることは稀です。

その辺りは、IT企業のように実力主義を唱える職種とは異なる部分でしょう。

できる介護士とは?


できる介護士とは、純粋にスケジュール管理が上手な人です。

認知機能が低下すると、作業効率はどうしても低下します。

つまり、利用者のペースに合わせると時間が掛かるので、ある程度は介護士がペース配分を決めなければいけません。

作業効率を高めるには、利用者をどれだけ誘導できるかがポイントになります。

できる介護士は、利用者に任せる部分を制限し、効率的な声掛けを用います。

頑張る介護士とは?


できる介護士と同じように見えて、頑張る介護士は利用者主体を貫きます。

もちろん、スケジュール管理はあるので、遅れた部分は介護士自身が辻褄を合わせます。

中長期に見ると、施設内の雰囲気が活気に満ちている状態になるでしょう。

つまり、場合によっては利用者の機能が回復して、今まで以上に身の回りの作業ができるようになったりします。

会話ができるようになったとか、洗濯物を畳むような作業ができるとか、急には難しくても向上を実感できることが増えます。

理想は頑張る介護士。でもできる介護士が主流!?


頑張る介護士を育成したくても、施設はそれに見合うだけのメリットを介護士に与えることができません。

つまり、自発的に気付き、率先して「頑張る介護士」を目指してくれないと、なかなか難しいのが現状です。

一方で、できる介護士は、施設でも評価しやすく、また介護士も目指しやすい目標となるでしょう。

ベースとなるのは、施設が事前に決めたスケジュール管理に沿って、作業を先読みして行える介護士を増やすことです。

単純に時間帯の作用を書き出して、各介護士に持たせるだけでも違うでしょう。

特に新人さんの場合、1日の流れの中で「自分が熟すべき仕事」を明確にできるので、その他の介護士も作業の割り振りに繋がります。

もっとも、そんなやり方は、現状の「自立支援」や「寄り添い」に反する介護なので、「できる介護士」だけを目標とすることはできません。

忘れてはいけないこと


できる介護士と頑張る介護士を比較すると、両者の優劣や特徴ばかりが気になります。

しかし、もっとも注意しなければいけないのは、「できない介護士」を現場でどう扱っていくのかという点です。

1つの作業だけを長時間し続けたり、利用者といつまでも話し込んで、時間が来ても予定の作業を始めないなど、介護士としての役割を誤解している場合も少なくありません。

現場には、できる介護士や頑張る介護士がいるので、どうにか彼らがスケジュールを進めてくれるでしょう。

しかし、できない介護士が増えると、ストレスが積もりできる介護士や頑張る介護士のモチベーションを下げてしまいます。

「コレは終わった?」

「〇〇をしていたので!」

1つすればイイと思っているので、他の作業は誰がするのかと思わないのでしょう。

普通なら、「まだ終わっていません。今すぐ始めます」と急ぐでしょう。

ところが、「当然の表情」で見返されたら、もうそれ以上は説明も理解されないので、諦めるしかありません。

新人さんが入職して2週間が経過しました。

現状、新人さんに課せられた業務はありません。

アシスタントや、フォロー的な作業が中心で、まだ頭数に入っていないのです。

このまま、1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎてとなった時に、新人さんが「できる介護士」や「頑張る介護士」を目指してくれたら嬉しいです。

しかし、そうなるための誘導ができているとは思いません。

本当に本人の意識次第というところです。

また、気掛かりなのは、段々と「できている意識」を持ち始めていること。

「ポットの位置が違っていた」のような、本来なら後まわしになる状況に気を回している点です。

そこに気づくなら、何時までに作業を終えたいという意識が芽生えても良さそうです。

この頃、仕事が増えたと感じ、さらに疲労感も増しました。


利用者のためと思えば些細なことになるのですが、仕事として割り切るともう少し楽に働けないものかと思います。