見えてきた「OJT」による新人教育の限界
「OJT」とは、On The Job Trainingの略で、実際の仕事現場で教育訓練を行うスタイルです。
介護業界では人手不足もあって、入職者に一定の訓練を受けさせることができないケースもあります。
こみちの施設でも、OJTが導入されていて、先輩から指導を受けて来ました。
こみちが介護業界に挑戦しようと思った理由として、「介護スキル」が将来的に身を助けると思ったからです。
その意味では、オムツ交換など、未経験の頃でも何となく介護職が行うであろう作業ができるようになりたいと考えていました。
なので、研修を受けている時も、説明を受けるスタイルではなく、実際に自分が担当者となり、横で指導してもらうスタイルを願い出ました。
なぜなら、そんな方法にしないと、いつまでもオムツ交換ができるようにならないと思ったからです。
今、先日入職した新人さんが、さまざまな仕事を先輩たちから教わっています。
「どうですか?」
相変わらず、直接的な関わりを望まれていないので、新人さんには声掛けくらいしか行っていません。
「何をすれば良いのか分からなくて…」
「そうなの? 大丈夫ですよ!」
意味のない言葉を返しているなぁと思いながらも、新人さんの元から離れました。
その頃、こみちがしたのは、出勤してから退勤するまで、一時間毎に何をどうするのかをメモしたスケジュール表です。
「何時だから、何をしなければいけないか?」
介護施設はとにかく仕事が多く、断片的に仕事を覚えても、どんな状況になればその仕事が始まるのかが分かり難いこともあります。
OJTは人手不足の中でもできる教育訓練ですが、「仕事の流れ」を整えるひと手間がないと情報過多になって動けなくなってしまうのです。
こみちとして危機に感じているのは、1年経ってもお茶配りくらいしかしないスタッフになってしまわないかということです。
できるできないよりも、実際にするかしないかがポイントになります。
先輩たちもプライドがあるでしょうから、今更こみちを頼ることもないでしょうが、だんだんと現場で動く人と止まっている人ができてしまっています。
人材不足が叫ばれる介護業界ですが、「OJT」ではしっかりと教育できない現状もあります。
特に専属担当者を決めないケースでは、指導者にとって方法が異なり、教えられる新人さんも混乱してしまいます。
「何をどうしなければいけないのか?」実は現場スタッフでさえも詳しくは分かっていないのです。
人によって介助方法が異なるので、どうしても指導に一貫性がありません。
実際にこみちの場合は、それぞれの作業を自主的に行う姿を見せて、「それでも良いんじゃないの?」と判断してもらいました。
なので、施設サイドから承認された「自己流」ということです。
もしもこのまま、教えられるだけという流れが続くと、3ヶ月後も半年後も同じような仕事の流れが続くでしょう。
本来なら人が増えて楽になるはずですが、担当者が仕事から離れるので、残されたスタッフはさらに仕事が増えています。
そこががんばり所何ですが…。どうなることでしょうか?