介護施設の役割
介護施設の存在価値をひと言で言い表すことはできません。
なぜなら、さまざまな目的が絡んでいるからです。
今回は、利用者という視点で介護施設の役割に触れてみたいと思います。
高齢者や障がい者は、家族や地域からの支援を必要です。
身体に直接関わるような支援もあれば、見守りのような間接的な支援もあるでしょう。
そして、公的な支援を担う存在が、介護施設だと思います。
具体的には、自宅暮らしを支援する「訪問介護」、住まいとしての支援を行う「特養」や「有料(老人ホーム)」、さらに自宅復帰を目的とした「老健」などもあります。
介護と言っても、どんな支援を求めているかで、利用するべき施設は異なります。
また、施設は、社会福祉法人が運営している場合と株式会社として運営される場合に分かれます。
端的に言えば、施設自身が「利益」を求めているかいないかがポイントです。
なぜなら、公的な介護支援は、介護保険制度に基づいて運営されています。
もう少し具体的に説明すると、施設は利用者には1割から3割の範囲で利用料金をもらい、残りを国や地方自治体からの支払いで賄っているのです。
特に社会福祉法人が運営する施設に場合、施設は事業目的を制限される代わりに税金面での優遇を受けています。
それは、公的な支援をしっかりと実施してもらいたいからです。
一方で株式会社が運営する施設では、一般の会社同様にさまざまな税金を支払うことになります。
そこで、株式会社の場合には介護施設といえども、介護保険制度に頼らない試みが不可欠になるのです。
サービス付き高齢者向け住宅は、自宅支援と施設支援の中間的な存在で、利便性と収益性のバランスに優れた事業と言えます。
そんな中、特に社会福祉法人の統合に注目が集まっています。
現状としては、従業員100名以下の社会福祉法人が大半を占めていて、それぞれが独自の観点で「公共事業」としての介護サービスを提供来ました。
一方で、支援が行き届かないジレンマもあったはずです。
そこで、社会福祉法人を統合や合併することで、サービス内容を見直せば、効率化と同時に公共性の高い事業を展開できるようになるはずです。
自宅での支援は介護予防にもつながりますし、施設での支援から再び自宅へと復帰することも可能です。
また、施設で暮らす場合にも、利用者の暮らしを充実したものに変えていくには、さらなる試みも必要となるでしょう。
統合や合併による介護施設の未来像
公的な支援は、平等で一定水準以上のサービスでなければ意味がありません。
特定の人が得をして、サービスを受けられない人が出てしまうのは「公的」ではないからです。
統合されことで、サービスが統一化され、幅広いニーズに応えられる可能性が高まります。
一方で、統合によってサービスが画一化すると、細かな配慮が行き届かなくなる可能性も見逃せません。
介護現場で起こることですが、例えば「トイレに誘導すること」自体を介護と見るか、尿意を感じた利用者を支援すること」を介護と見るのかでも異なってきます。
提供するば良いという認識だけでは、利用者の支援にはならないからです。
作業を効率的な基準に置き換えれば、どうしても熟す仕事になりますし、余裕ある作業にすると質を十分に高められない恐れも出てきます。
どこに基準をおくべきかの線引き次第で、介護サービスはどちらにも転びます。
現役介護士としてこみちが思うのは、介護士の仕事は責任や仕事内容を考えてもまだまだ低賃金です。
特に雑務が多く、体力的に厳しいですが状況があるからです。
そんな中で、どう利用者の支援を高めるには介護業務と雑務を分けたり、施設の受け取る介護報酬がどれくらい従業員に還元されているのかを明確してくれると嬉しいです。
特に社会福祉法人の場合には、公共事業を目的としているので、一般的な株式会社に比べて資金の流れを従業員もある程度把握したいはずです。
施設存続のために、どれだけ内部留保しているのか。
施設によっては数億円規模でプールしているという話も耳したことがあります。
実際のところは詳しくありませんが、報酬額の何割までを留保できるとか金額の上限が決まっていて、残りは従業員に還元するなど、組織運営の在り方も問われてくるように思います。
支援を必要としている利用者のために、それを支える介護士のために、介護施設が適正に運営してことが理想でしょう。