ファイナンシャルプランナーとは?
中高年の方がキャリア形成を行う際のポイントとして、「年収」よりも「長く働ける職場」を優先するべきだと思っています。
体力、集中力共に低下し始める年代と言うこともあり、できる限り激務な職種は大変でしょう。
そこで、始めやすい資格として気になっていた「ファイナンシャルプランナー」に注目してみました。
この資格ですが、知識や専門性に応じて1級から3級までの3グレードに分かれています。
また、ファイナンシャルプランナーの資格には、「AFP」「CFP」と呼ばれる資格もあって少し戸惑うでしょう。
大きな違いは、ファイナンシャルプランナー(FP技能士)は国家資格であり、「AFP」や「CFP」は民間団体が定める資格になります。
いずれにしても、個人のお金に関わる資格であり、節税や税金をはじめとした幅広い金融資産の有効活用をお手伝いします。
具体的には、「資産運用」「マイホーム取得のアドバイス」「保険の見直し」「教育資金」「老後の資金」「相続や事業継承」となります。
つまり、しっかりと的確な知識を身につけ、お金のアドバイスを受けてみたいと思う人に寄り添いながら活躍できるのが魅力でしょう。
公的な制度を知らないことで必要な申請を怠っていては、資産管理を行う上ではもったいない話です。
そこで、ファイナンシャルプランナー資格の中でも、もっとも初心者向きとなる「FP技能士3級」について紹介しましょう。
「FP技能士3級」とは?
FP技能士には、もっとも難易度の高い「1級」を筆頭に、「2級」や「3級」と続きます。
実務経験が問われる「1級」や「2級」に比べ、「3級」は受験資格も必要ありません。
また、3級は合格率も50%から70%を推移していて、初心者でも一発合格が十分に可能なのも魅力です。
もっとも、お客様の資産運用に関わる仕事ということを考えると、実際にはさらに幅広い知識を求められる「2級」、そして「1級」や「CFP」へとステップアップが必要になってきます。
それでも「3級」を目指すことで、自分の向き不向きを確認したり、さらに知識を深めてみたいと思えたら、このFP資格を有効に活用できる方法を考えましょう。
少なくとも、これまで資格の名前くらいは知っていたけれど、それで何ができるようになるのかが分からなかったわけですから、そこが一つでも将来の見通しが見つかれば、今度の自分に必要となる資格やキャリア形成に役立ちます。
先に未来の話をしておきましょう!
3級に合格したら、資産運用の基礎知識が身につくはずです。
しかし、税務の相談やアドバイスは税理士の守備範囲であり、もしも業務として無資格者が関わると「税理士法違反」になってしまうようです。
ここでいう無資格者とは税理士の資格を持たない者を指し、仮に最難関の「FP1級」を持っていても「違反」には変わりありません。
つまり、税務に関する具体的なアドバイスは、ファイナンシャルプランナーの業務外となるようです。
また、「生命保険の見直し」もFP技能士の業務ですが、実は「保険」の販売には別の資格が必要です。
保険は一般人に分かりにくい部分も多く、誤解や誤認によってトラブルにもなり得ます。
そこで、販売(契約書を交わす)には「生命保険募集人」という資格が必要です。
つまり、FP技能士の単独資格では、「この保険よりもこの保険の方が合っていますね」と見直し提案できても、実際に契約を結ぶことはできないことになります。
さらに、「相続や事業継承」に関する部分では、法的な手続きや権利擁護の代行は「弁護士法違反」に関わります。
踏み込んだ話になることが予想されるだけに、一般的な知識を解説できても、実際に権利の行使や訴訟などを代行することはできないので注意が必要です。
少しだけ見えて来たFPの未来像
幅広い資産運用の手助けを行うファイナンシャルプランナーですが、具体的な権利や販売となると別資格が必要になります。
そこで、保険に強いFP技能士目指すなら、保険会社で資格を取得し、経験を積むことも検討しましょう。
また、税務や法律に関する部分では、税理士や弁護士との連携を模索しましょう。
そのことを踏まえると、FP技能士の資格だけで自分のキャリアを形成するのは難しいかも知れません。
執筆者となって書籍化するなどの方法もありますが、知名度や実績が問われることを考えると、少し現実味の薄い選択肢となってしまいます。
ファイナンシャルプランナーの求人募集はあるのか?
とある求人サイトを覗いてみると、保険会社や金融機関などでFP技能士(ただし2級以上)が活躍しています。
また、不動産販売業などでも募集はありますが、不動産業界に進むのならFP技能士以上に「宅地建物取引士(宅建)」資格が欲しいところです。
現状を考えると、FP技能士の知識を得ることで、自身のライフプランを見直すことから始めましょう。
さらに、保険や金融、不動産など、自身が目指したい業界が見つかれば、必要となる資格も含めてさらにジャンプアップしていくことになりそうです。
先ずは「3級」という選択肢が今後を占う意味でもちょうどいいのかも知れません。