いつも「出会いと別れ」は突然に
介護施設の中でも、介護老人保健施設はその役割上、入所と退職が頻繁にあります。
早い時にはひと月だけ滞在することもあり、施設での生活に慣れた頃に自宅へ戻って行くことも珍しくありません。
一方で、数年を超えて滞在している入所者もいます。
しかし、老健の場合には入所と退所が繰り返されるので、今度の入所者はどんな介助が求められるのか事前に情報が回って来ます。
ところが、多くの場合、先行された情報と入所後の様子には違いがあって、それだけ環境によって支援に差が生じることもあります。
今回、入所者情報が入ったと聞き、誰が退所するのだろうと考えるのです。
なぜなら、今は満室状態。
誰かの退所がなければ入所はあり得ないからです。
「〇〇さんが?」
確かにその方は、一部の介助が必要なものの、支援方法を家族が心得れば十分に家庭でも暮らせそう。
なるほどと思う一方で、施設からの「卒業」を見送るのはなんとも寂しいものです。
これまでにも多くの方が卒業したのですが、嬉しいことに自宅へ戻られた方がこの施設に戻って来たことはありません。
それだけ入所待ちが多いのもありますが、自宅で暮らせることは介護士としても喜びです。
その後、別棟のデイサービスに来ているという話も耳にしますが、ほぼ設定がないので、その方を見る機会はまずありません。
介護を担当できる期間は、それぞれの利用者で異なりますが、決して「ずっと」ではなく、一定の期間に過ぎないのです。
そう思うと、介護を担当できる毎日をどう接していくのか、もう一度考え直してもいいでしょう。
卒業すると分かって、やり残したことはないか、してあげられることはないかと考えます。
我々介護士が介助できる時間って、その方の人生の本の一部分でしかないですね。