目覚しく発展を遂げる「AI(人工知能)」
かつて、「IT革命」と呼ばれる出来事を覚えている同年代の方も多いことでしょう。
企業がこぞって「ホームページ」を立ち上げ、Webデザイナーが新たな職業として輝いていた時代です。
トップページをFlashなどで作成すれば十数万円も儲かったのですから、どれだけ「IT革命」が大きな影響を持っていたのかうかがい知ることができます。
そして、2019 年を迎えた今、「AI」が我々の仕事を変化させようとしています。
IT革命が起こった1995年前後、家庭用のパソコンをインターネットに接続するには、モデルと呼ばれる通信機が必要で、電話回線を使用していたことから1分何円という通信費も掛かりました。
もちろん、接続できるのは家庭やオフィスなど、決められた場所。今のようにどこでも自由にというのは、夢のまた夢です。
それがどうでしょうか。
今は、通信速度も劇的に速くなり、ポケットにも収まりスマホで何でもできてしまう時代です。
つまり、IT革命が起こった当時ですら考えられなかったことが起きても何ら不思議ではありません。
それほど、「AI」の発展は我々の生活そのものを変えるでしょう。
そのキーワードとなるのが、「人口の減少」と「超高齢社会」。
何かを仕事の変化を考える際に、手間を省いて行くことがポイントなのです。
こんな未来をちょっと想像してください!
あるスーパーコンピューターに、国内で起きた事件や事故に関する数億件のデータが蓄えられていて、事例に合わせて妥当とされる罰金の金額や量刑を弾き出せるとしたら。
裁判所の役割や裁判そのものが変化して行くでしょう。
そんな時代を迎えたとしたら、司法に詳しい弁護士や登記の専門家である司法書士の役割も変化してきます。
特に不動産登記は、その登記簿の書き方に特長がありますが、ガイドに従って入力するだけなら、一般人がネット回線を使ってどこからでも行えるようになるでしょう。
「IT革命」で大きな壁となったのが「金融の決済システム」だとしたら、「AI」では本人認証がポイントになるのかも知れません。
今でもスマホのロックを解除するには、指紋や顔を認証することで行っているのですから、AIのさらなる進歩を待たなくても、現状の技術で十分に対応できるのかも知れません。
認証技術が進化することで、インターネットはさらに重要な情報を伝達できるでしょうし、それらの情報を使って新たなサービスへと発展するはずです。
つまり、インターネット上だけで解決できることは、ますますその方向に進むはずで、「法律」を扱う資格は、「AI」が役割そのものを大きく変化させてしまうでしょう。
こみちが思うのは、個人によって異なる事案、つまり人と人が繋がることで解決できる類いの業務はインターネット上でも解決しないということ。
法律家の相談業務やアドバイスなどコンサルタントも、同様に失われません。
介護職では、ケアマネが作成しているケアプランは「AI」が得意としている分野。
今の10分の1の時間で、同等のケアプランを作るようになるでしょう。
だからといって、ケアマネが不要になる訳ではありません。やはり、ケアマネもコンサルタントとしてのスキルに特化して行くのでしょう。
これからの資格で欠かせないポイント
前回の記事では「国家資格」についてこみちなりのオススメを紹介しました。
最難関と言ってもいい「司法試験」にこれから挑むくらいなら、中高年の方には「宅建」や「電気工事士」の資格が優先されると思うのです。
ポイントは、客先での交渉が欠かせない点です。
例えば屋内の電気工事をする際、それぞれの暮らしに合わせて30Aが良いのか、50Aにするべきか、判断しなければいけません。
また、生活で使用するガスや電気の設備も将来像で変わるでしょう。
そこがインターネットと大きく異なる部分で、簡単に再入力するようにはいきません。
どこまでを準備して、どの時期に拡張するのか。
工事前の打ち合わせがあってこそ、工事の満足度は変化します。
相手の要望を聞き出し、それを知識や技術で応えるという流れが、「AI」時代は顕著になるでしょう。
法律家の相談業務に当たる部分と同じ理由です。
介護業界で言えば、身体介護などはまさに「これからも求められる仕事」です。
介護の知識や技術があれば、仕事がなくなることはないでしょう。
なぜなら、「AI」によって精神的なケアを担えたり、介護ロボットが移乗や移動を行えるには、まだまだ環境整備が必要となるからです。
介護施設に導入し家庭用が普及するまでとなると、今後10年先では難しいでしょう。
これは、車の自動運転にも言えることですが、技術的な問題がクリアされても、倫理面や法的な問題までは簡単にクリアできないからです。
介護ロボットが施設で見かけるようになったとしても、すべてがロボットだけで完結しません。
その意味で、介護の仕事は将来的にも有望ではないかと思います。