職場を選ぶとしての介護施設

 親を預けたいと思えるか?

介護への再就職を検討し、希望にあった職場を探しています。

立地や勤務条件など、こみちの希望に近い職場を見つけました。

あとは実際に連絡をして、面接という話かと思ったのですが、運営会社の評判や職場の評価、何気なく調べてみると気になるコメントが見つかりました。

中でも「親を預けたくない」という家族が多かったこと。

以前勤務していた施設を調べても、そこまで気になるコメントはなかったのに、なぜにこんなに多いのかと。

介護業界

長いとは言えませんが、介護福祉士の資格も取った立場で思うのは、介護業界は利用者も働く人も簡単ではありません。

例えば、移乗。

車イスからベット、ベットから車イス。

歩行が困難な利用者を移動させる介護ですが、介護者が心得るポイントは幾つもあります。

それは自分自身の腰を守るためでもあり、介助される利用者の負担を減らすためでもあります。

知識として、言葉でどれだけ上手く説明できても、実際に移乗介助ができるのかは別の話です。

つまり、正しい方法を反復して練習しない限り、技術を習得出来ません。

自己流でしてしまうと、それで問題ない場合もありますが、後々になって腰を傷めたり、利用者をケガさせてしまうことがあります。

トラブルが起こって、そのままではダメだと気づいても、どう意識すれば良いのか分からないと、腰にサポーターを巻いて同じ方法で介助を続けている介護士を何人も見て来ました。

介護福祉士の資格は、基本的に知識の有無を問われます。

ですが、受験資格として、実務者研修を受けなければならず、「介護って何?」という答えを考える期間があります。

言ってしまえば、初任者研修だけでも働けます。

現場経験が長い介護士も多いです。

介護福祉士や実務者研修で得た知識や経験が現場ではほとんど役立たないように思うかも知れません。

ですが、「日々の介護」は現場だけを見ていても良いのですが、「介護とは何だ?」という疑問には介護福祉士で問われる知識や経験は無駄にはなりません。

と言うか、介護福祉士の受験対策って、「介護とは何か?」を理解しているかを問われる試験とも言えます。

具体的な内容は触れませんが、そのために必要なことを理解できていたら、合格できます。

何がここで言いたいのかと言うと、介護業界って「質」を保つのがとても大変です。

例えば全くの未経験者に介護の基本を教えるとしても、用具の使い方から受講生同士で行う介助の練習と進んでも、それは「介護とは何か?」の入り口に過ぎません。

あまり広げ過ぎても良くないですが、「生き方」にどう寄り添うのかと言うことなので、利用者やその家族の素直な気持ち、経済的な負担など、理想があって現実があって、だからこそこの辺りの介護支援が持続可能だろうと言う見極めが必要です。

それを導くのがケアマネのやり甲斐ですが、何十人もの利用者や家族からの要望に応えるだけの時間は無さそうです。

と言うのも、ケアマネだけで稼ぐのは難しく、こみちの勤務していた上司は他のスタッフと同様に夜勤もして、ケアマネの業務もこなして、とても忙しそうでした。

それでも素朴な疑問や悩みにも笑顔で応えてくれて、給料の多い少ないで選ぶ職種ではないと思います。

例えば、週1や2と言う勤務だとしても、短くからいい加減な介護でもいいとは思えません。

利用者との話や触れ合いが楽しかったのも事実ですが、それは娯楽としての楽しさではなくて、悩んだり考えさせられたりしながらも、出会えたことでこみち自身の人生にもいい影響があったを言う意味です。

「親を預けたくなかった」

コメントに寄せられた言葉の背景は分かりませんが、いろんな部分に問題点がありそうです。

まして、週数回の勤務だからこそ、そんな現場を選んで良いのかとも思い始めました。

家から近くて、条件も悪くない。

でも、利用者家族からはとても評判が悪い。

ちょっと立ち止まってしまいました。

慌ててこんなはずではなかったと後悔するよりも、もう少し探してみた方がいいと思います。

悪い言い方ですが、腰掛けな気持ちで再開する介護職なので、まだこみち自身が怒られて反省するような職場の方がいいです。

誰も得をしていない職場で、モヤモヤして働くのもなぁと思ってしまいました。