地道に生きること

 地道に生きること

最近、変わることがない両親との生活に疲れて来ました。

しかも少し油断すれば、コツコツと軌道修正した習慣も一瞬で元通りになってしまいます。

「何でそうなの?」

そんな話をしても、結局は何も通じないので、切り捨てられるなら切り捨ててしまいたいのですが、そうできない何かもあって、家族は崩壊したまま継続しています。

ところで、みなさんは「お金持ちになりたい」ですか?

上手い話があれば、一度は乗っかって、夢のような生活を手にしたいですか。

今にして思い返せば、父親世代には当たり前だった終身雇用という制度。

会社人間になるという不自由さはありますが、40年なら40年、勤め上げれば老後も心配なく暮らせる制度でした。

だからこそ、そんな制度がより充実した「大手」に入社することが大きな目標だったというです。

話は変わりますが、いろんなことを理屈を考えて眺めていると、あることに気づきました。

例えば、なぜ「儲かるのか」という話。

儲かるにはマストと呼べるルールがあって、それが「軌道に乗る」ということでしょう。

具体的に説明すると、めちゃくちゃ美味しい料理が作れても、儲かることには繋がりません。

つまり、土手で100mを計測し全速力で走って8秒だったとしても、それは世界記録にもならないという話と同じです。

組織や団体に関わることで、初めてしたいことが評価の対象になるのです。

さらに言えば、そんなコミュニティにも種類があって、傘下にどれだけ影響力があるのかも重要です。

終身雇用の話で大手が望まれた理由は、その傘下に多くの企業がいて、そこにもたくさんの従業員がいて、彼らの努力や頑張りをまとめて大手は預かれるポジションだからです。

つまり、個人で始めた小さな会社は、もっと影響力のあるグループに属することも大変です。

商品を製造し、販売するとしても、その場所を探すのも個人では限界があります。

もしグループに属することができて、そこで宣伝や紹介、提供する場を作ってもらえたら、どれだけ助かるでしょうか。

その有り難さに着目すると、「広告業」も化ける業界かもしれません。

とは言え、個人が今から参入しても勝ち目はないので、結局は異業種同様にグループに加わることが何よりも優先されるでしょう。

あるタイミングで収入が増えたと話す人がいて、その秘訣が軌道に乗る人たちとの繋がりを持つことでした。

お金が動いている場所にビジネスチャンスもあるということです。

というのもその理由はシンプルで、ビジネスになっているということはマーケットがあるということで、ニーズもあるので、それに応じることでビジネスチャンスがやって来ます。

もしも個人で、コツコツと頑張っているだけでは成果が出ないと思うなら、それらの行動が悪いのではなく、そもそもとしてビジネスチャンスに近づけていないことが大きな改善点でしょう。

一方でもう一つ考えるべきは、最近では大手でさえも安心ではないことが起こっています。

例えば、同じ類いの商品を製造販売する会社は世界各地にあって、業界二位と三位、四位がタッグを組めば、圧倒的に有利だったトップブランドでさえも追い抜けることがあり得ます。

個人ではどうにもならないことが、組織や団体に属することでビジネスチャンスが始まるように、企業間でも似たようなことが起こります。

言い換えると今の時代はもう「個人」の努力ではもうどうにもならないくらいの状況で、ビジネスを成功させるチャンスは「個人の人柄」に人気が出るようなケースくらいしか思いつきません。

小さな喫茶店で、コーヒーやケーキを提供している。

大金持ちにもなれないけれど、気ままに立ち寄ってくれる顧客がいて、楽しく商売できているというような状況が目指すべきゴールではないでしょうか。

自社よりも安価な店は周囲にもあって、でも潰れないくらいは客も来てくれることで経営できている。

現実的に考えるとそれを達成させるのもかなり難しい話でしょう。

そして、もう一つ全く異なる方法が、仕事として割り切って働くビジネスです。

広告業が儲かるかもしれないと紹介しました。

でも個人では難しい面もあります。

しかし、「案件」として依頼された商品を貴方が良さを伝えることで、報酬を受けるというビジネスです。

同じくらいの性能や品質の商品があって、多くの人が一斉に一方の良さをこぞって紹介していたら、一般のユーザーはどうしてもその商品を選んでしまわないでしょうか。

貴方が担当したことで商品を購入し、その良さを実感できたと報告を受けたら、紹介してよかったとやり甲斐を感じるでしょう。

しかし、問題は別の所で起こります。

広告の効果が一方的になれば、時にライバル企業の業績は下がります。

そして次第に開発や製造販売が鈍り、勢いが失われてしまいます。

もちろんそれは広告をした側の責任ではありません。

さらに広告をしても不適切な手段は使われていないでしょう。

ポイントは、時に「ビジネスチャンス」と思えた出会いですが、大きな集合体では、組織や団体の強みと同じで、もっと大きなものさえも動かしてしまうということ。

好きだった商品やサービスが、いつの間にかなくなってしまうということが起こります。

そして、仕事だからと割り切っていたつもりで続けていたつもりが、気づけば特定の商品しか選べなくなっていたりするのです。

安くてサービスもいいと紹介しただけなのに、その影響力で個人で経営されていた喫茶店が店を畳んでしまうことがやはりあるんです。

仕方ないと言えばそれまでですが、儲けるということだけを優先してしまうと結果的に生活は何か大切なものも変わってしまいます。

極端に大儲けすると、そこには歪さがあって、地道にコツコツしても何も起きなかったように、普通はそれくらいしか影響はありません。

だとすると、5倍にも10倍にも跳ね上がるビジネスは、その仕組みが大きな影響力を秘めているとも想像できます。

簡単に儲かる上手い話がないのは、それで成功してしまうと失われるものが大きいからです。