父親を病院に…
昨日、病院に行く為に、父親のマイナンバーカードをいつもの置き場所から取り出そうとしたんです。
「マイナンバーカードは?」
「オレは知らん」
父親がそう答えます。
「お母さん、マイナンバーカード知らない?」
「いつもの場所でしょう!」
「それが無いから…」
父親はすっかり興味を失いテレビを観てしまいます。
「私、出掛けるから」
母親も用事だといなくなります。
「ええええ、どうすればいいの!?」
私は正直、かなり気が動転していました。
ここ数日、気持ちの浮き沈みが大きく、それでも予定を終わらせるために頑張っています。
昨日も家族の食材、灯油の購入、トイレットペーパーも買わなければいけません。
それぞれが別々の場所で、しかも父親を病院にも連れて行かなければいけません。
休日なのに、その一日でさえ半日では終わりません。
それに加えて、マイナンバーカードの紛失?
ざっくり調べると、マイナンバーカードの再交付は簡単ではありません。
何より、歩くのが困難な父親を連れて証明用の写真を撮り、管轄の役場に父親を同行させ、考えただけでも面倒です。
場合によっては紛失による2次被害を考えてカードの失効を届けなければいけません。
調べれば調べるだけ、やるべきことが増えて、ストレスしかありません。
「もう無理だよ!!!!」
そう叫んでしまったら、スイッチが完全に切れそうでした。
「ネェ、ちゃんと入れた?」
父親に話しているのに返事してもらえません。
「お父さん!」
「知らないよ!」
大きな声で父親も怒鳴り返します。
その後、ありそうな場所を何度も探してもう無いと諦めかけて、その時たまたま妻から連絡が来て、事情を話すと「車は?もしかしたらそこで落ちているのかもよ」と。
分かるだろうか?
それだけ必死になった時でも両親は全く変わらず、ただいつも通りしかできません。
それが我が家の現実です。
夕方になり、母親がやっと帰宅しました。
「どうしようか?」
「まだ探していたの?」
「無いと大変なことになる。診察券じゃないよ」
「じゃあ、一緒に探してあげるから」
「あげる?」とは思いましたよ。
でも責任逃れする母親は、そうしか言いませんし、何よりも見つかることが大切です。
そして、母親は父親の部屋でマイナンバーカードを発見しました。
「あったわよ」
「どこに?どこにあった?」
どうやら私も知らない場所に父親の隠し場所があったんです。
そこから見つかりました。
「お父さん、見つかったよ」
テレビを観ていた父親は、チラッと見て、またテレビを観ています。
「病院どうするんだよ」
「病院? 連絡するよ。その時に行こう」
「フン!」
見つかったことでもう泣きそうでした。
そして、マイナンバーカードも父親には渡さず、こちらで管理することにしました。
これくらいならと思っても、父親に期待しても何か起これば誰も助けてくれません。
その不安と憤りの無さに堪えることが介護なんです。