介護職の疲れは「不公平感」にある!?

 介護職の仕事とは?

介護職として働いている人でも、利用者ごとのケアプランを熟読しているだろうか。

利用者となった高齢者が、どのような目的を描いて入所を決断したのかが計画として表記されている。

そんな介護のマップのような存在なのに、施設特有のスケジュールが優先され、個々のケアを実践する機会は少ない。

同じシフトになった先輩たちが、事務仕事や個別案件を始める。

大抵は内容さえ教えてくれないから、どれくらいで完了できるのかも伝わってこない。

つまり、同じ時間帯にスタッフが10名いても、その時点で数名が除外されてしまう形だ。

残ったのは、同期や入職期間が近いメンバー。

介護職と年齢もそうだが、経験値も個々でかなり違う。

日常業務を100として、100を熟るスタッフもいれば、50とか30とかで成長が止まってしまったスタッフもいる。

上手とか手際がいいと言う話ではない。

例えば、オムツ交換ができないとか、レクリエーションの司会役を熟せないとか、シフトに組み込まれていても、そのスタッフでは担当できない業務があるのだ。

大体、入職して2、3年前後のスタッフは、現場を回す第一線に駆り出される。

面白いもので、今の施設ではまだ1年くらいでも、実はトータルで10年を超えるベテランだったりする人もいて、実は簡単に「若手」とひとくくりにはできない。

同じオムツ交換でも、実は状況によって難易度には差がある。

通常5分で終えられる人でも、一瞬、怯んでしまうようなことは稀に起こる。

特に伸びないスタッフの中には、まだ始めたばかりの頃にハードな状況を押し付けられて肝を冷やし、それ以降避けてしまっていると言うことも少ないないだろう。

確かに何度かどうすればいいのかと困惑したことがあるし、まだ未熟な時は先輩からサポートが受けられたし、その後は躊躇いながらもどうにか乗り越えて今に至る。

でもここまでくるのでさえ、個人差があるし、もっと短期間で先に進んでいる人だってたくさんいるはずだ。

できるからたくさん仕事をするの!?

介護現場には妙な雰囲気がある。

レベルが似ていると、若手が前に出る。

レベルが違うと、なぜかできる人が多く仕事をする。

そして、介護現場に新人が入るのは本当に稀で、派遣を除くと数ヶ月は新人が入っていない。

つまり、若手で仕事を覚えると、いつもたくさん仕事が回ってくる。

シフトによってメンバーが変わっても、仕事の割り振りは変わらないから、なぜか仕事が多い。

それで同じ単価給なのか?

時給で10円とか20円違ったとしても、利用者と世間話しているだけのスタッフは勝ち組に見える。

春先の報酬額を改定する時でも、自分の仕事を施設から評価されているのかと気になってしまう。

上手くのらりくらりとしているスタッフが、むしろ高い報酬だったと知って、愕然としたこともある。

介護職の実績はその瞬間よりも、対応力や貢献力で現れる。

同じ時間帯に入れば、それは同じ仕事をしたとなり、休日や休み返上で出勤に応じれば、それは加点になる。

助っ人として来たスタッフが、本当に見守りしかしてくれないと言うこともある。

相変わらず忙しい現場で、それなら居なくても良かったと思うところだが、施設にすれば「わざわざ、休みを返上して出てくれた」とその人を加点する。

ある意味で、一般的なサラリーマンよりも仕事の境界線が曖昧だから、立ち回りが上手い先輩と一緒になると、本当に疲れ果ててしまう。

急に先輩たちが働き出したと思ったら、本部スタッフが顔を出したからだったりする。