他部署との連携作業で気づいたこと

きっかけは所属するリーダーの指示


急きょ、こみちの業務が変更になりました。

本来なら、いつも通りの「現場」作業だったのですが、今日は他部署に行ってそこのスタッフとの共同作業になりました。

「はじめまして」の人も多く、同じ介護施設ですが、雰囲気がかなり異なります。

何よりも、どんな風に介護支援しているのかを見られたのは新鮮な経験でした。

所属先のリーダーが、簡単に案内をしてくれて説明を受けます。

「コレってもしかして「異動」に関係しているの?」

口には出せませんが、ちょっと頭によぎりました。

「〇〇さんどこにいるかなぁ?」

リーダーが出会したスタッフに問いかけ、浮上した人物がキーマンだったようです。

「こみちさん、ちょっと待っていてください」

しばらくして、キーマンを呼び出すためにリーダーが立ち去りました。

見慣れない施設で忙しく動き回るスタッフを眺めるのは、求職活動していた頃に施設見学をしていたのを思い出します。

もしも本当に異動が決まり、ココが職場になれば「見慣れた風景」になってしまうのでしょう。

実際、現在所属している配属部署から、昨年も異動者が出ました。

割と異動は少ないのですが、4月を過ぎて安心していたものの、過去の異動劇を考えると5月の異動だってないとは言えません。

その背景には、コロナウイルスの影響で子どもが自宅にいることで、出勤できなくなっているスタッフもかなりいるようです。

現場を回すためにも、「異動」は十分に考えられます。

そんなことを考えていると、リーダーが男性スタッフと並んで歩いて来ました。

「はじめまして。こみちです」

ますます、変な雰囲気でした。

一緒にする仕事は、車イスの調整作業。

訪れた現場では、ほとんど調整を行なっていないらしく、ストッパーが効かない車イスもあると聞きます。

「なぜ、調整しないですか?」

調整ができないわけではないらしく、「普段の仕事が多いから手が回らなくて…」。

確かに現場仕事は膨大で、少しでもスタッフの連携が悪いと慌ただしさは何倍にも膨らみます。

現場スタッフの心情としては、手間の掛かるルーティン作業を増やしたくないのも理解できないわけではありません。

ただ、車イスの調整を怠れば、利用者の転倒事故にもつながります。

そう考えると、後回しにできるような項目ではないでしょう。

「こんな感じですかね!?」

こみちの調整方法を説明すると、キーマンが「私だって知ってますよ」と言い出します。

しかし同時に、同年代の相手に説明を受けることに自尊心が働き、「できないとは思われたくない」ということだって考えられます。

「そうですよね。調整はそんなに難しい作業ではないですよね!?」

などと言いながら、伝えるべきことはしっかりと説明させてもらいました。

ただ、施設内に必要な工具箱も装備されていないらしく、「家のはあるですけどね!」と言い出します。

「まあまあ…」

こみちが相手の肩を軽く叩きながら、「異動したくないなぁ」と考えていました。

こみちは、「介護」を理解することで、具体的な作業や覚えるべき作業を認識できると考えてきました。

ところが、最近になって、頑張ればいいというものではないし、事務作業として淡々とこなすのも違うと感じています。

そう思う中で、訪れた現場スタッフの意識は想像以上に異なっていました。

「介護」って何だと考え直す意味では、面白い出会いでしたが、日々の仕事場になってしまうのは考えものです。

作業は十数台分の車イスを調整して終了となりました。

本来の所属先に戻る途中、「異動じゃないよなぁ〜」なんてことを考えていました。

所属先に戻ると…


こみちが居なくても、現場はいつも通り回っていました。

「おかえり」

親しいスタッフが声を掛けてくれたものの、何だか複雑でした。

仕事場って本当に偶然で決まります。

介護の仕事を選ぶのもそうですし、施設選びも同じです。

通勤するのが当たり前になっていただけに、今回の出来事は、ちょっと偶然を再認識させてくれました。

今、コロナウイルスで自宅勤務を強いられている人も多くいます。

何時には家を出て、というライフスタイルが当たり前になっていたことでしょう。

それも、今はちょっと違って、「偶然」が重なって「当たり前」になったのだと気づいたかもしれません。

環境が変わればやりがいも変わります。

今の職場の気になることも無くなりますが、気に入っていたことも失われます。

そんなことを考えた1日でした。