介護施設における「レクリエーション」の意義

 レクリエーションとは何か?

介護未経験だったこみちは、施設を選ぶ際に「レクリエーション」があることを知りました。

その内容としては、「歌」や「体操」、「工作などの手作業」などが挙げられます。

先ず、前提としてこみちは人前で話したりするのが得意ではありません。

サラリーマン時代、営業的な仕事もしていたので、相手に説明することは苦手ではありませんが、飲み会のような席で「盛り上げ役」を担当するタイプではないのです。

施設に入職すると、何かと利用者たちの前で話すことが増えます。

長い時には、体操などを含めて15分くらいは人前に立ちます。

週に何度かあるレクリエーション以外に、朝昼晩の食事前にも「体操」があるので、とにかく話す機会がたくさんあります。

「〇〇時になりました。これから、(口腔)体操を始めましょう!」

そんな言葉をきっかけに、少ない時でも20名から30名くらいの人前で、大きな声で話始めます。

話の進め方は、介護士によっても異なりますが、よくあるのは「今日は何日でしょうか?」という話題でしょう。

さらに、記念日がある時はどんな記念日で、その内容や関連する情報まで紹介します。

歌や体操などのレクリエーションは、介護施設ではいろいろ意味を持っています。

その1つが、集団生活を送るために、利用者同士が一丸となることでしょう。

利用者にもいろいろ背景があり、入所して来たわけで、日常生活の大半が自分でできる人もいれば、逆に大半を介護士が支援して維持している方もいます。

入所当時、先輩たちが行うレクリエーションを真似ることから始めました。

最初の挨拶から、話の進め方、レクリエーションの内容、そして最後の挨拶まで、丸々真似ていました。

その頃は、覚えた「手順」通りにレクリエーションをしていたのですが、ある利用者が「何の意味があるのか?」と、レクリエーションそのものに異議を唱えたのです。

こみちにすれば、それを提供することが介護士の仕事と思い込んでいたので、指摘を受けて気づかされたこともありました。

最近でも、レクリエーションを担当し、利用者の前で話すことがあります。

その際、必ず行うのは、これから紹介するレクリエーションが、利用者にとってどのような効果や意味があるのかを伝えることです。

例えば歌を歌うことには、心肺機能の向上とストレス解消、利用者同士の連携などがあると考えています。

逆に、歌が苦手な利用者もいるので、人前では歌いたくないということもあります。

そんな人は歌のレクリエーションに参加しなくてもいいのかというと、こみちは参加しなくてもいいと思っています。

なぜなら、こみちも人前で歌うには緊張しますし、その時のプレッシャーはかなりのものです。

利用者が自身の為にレクリエーションを活用して欲しいとは思いますが、「イヤなことを無理やり参加」させることはないからです。

実際、レクリエーション中の退場や参加を黙認しています。

これはこみちが行うレクリエーションに限ったことですが、「途中で抜けても良いですよ!ー」と伝えておくと、一度は退席した利用者もまた戻ってきたりするからです。

利用者にとってのレクリエーションとは?

例えば、介護士として「介護リハビリ」を行う時、その利用者の心身機能をかなり詳しく観察して行います。

歩行訓練を担当するようになり、「歩くとは?」を始め、「重心移動」や「加重と脱重」など、いろいろな観点からサポートします。

さらに、趣味レベルではありますがこみちにはサッカーやスキーなどの経験があるので、足の裏の使い方も紹介しています。

通常、歩行では足の裏は体重を支える場所と認識されます。

しかし、足の裏(その長さ24センチから28センチくらい)ですが、重心移動が行われています。

つまり、右足と左足を交互に出すことも歩くことなのですが、足の裏に着目して体重の移動を体感してもらうことで、苦手としている足で「何をしなければいけないのか?」を明確にしています。

これは、こみちが勤務している施設が老健だからということもあり、例えば特養であれば心身機能の向上よりも、満足度や娯楽性が求めれられるかも知れません。

もしもそうだとしても、目的を再確認して、それに合わせたレクリエーションになるようにしなければ、貴重な時間を使うだけの意味がないでしょう。

レクリエーションが必要か不要かは、レクリエーションそのものではなく、提供する介護士の意識レベルがどこまであるのかがポイントになります。

何となく利用者の前で、ベラベラと世間話を始め、数曲歌って終わりというものなら、利用者全員を集めるほどではないでしょう。

その場にいた利用者たちだけでいきなり始める催しでも良いくらいです。

施設には大型テレビがあり、YouTube も自由に視聴できます。

例えば、利用者の好きな歌を流して、そこにいる数名で歌っても面白いでしょう。

逆に全員を集めるレクリエーションなら、その内容のどこかで各利用者が参加できるように配慮するべきです。

歌が苦手なら、手拍子やタンバリン、カスタネットでサポート役に回ることでも参加意欲に繋がります。

それすらしないまま「歌いましょう!」とワンパターンな声掛けをしてしまうと、一部の利用者はレクリエーションを拒み始めます。

レクリエーションは、単調になりがちな施設生活に変化をもたらせる意味もあるので、「楽しく」なるようにするべきでしょう。

音痴でも、テンポが合わせられなくても、それでも利用者たちがその時間を楽しんでくれたら十分意味があります。

習字や絵画、工作や料理など、興味には違いがありますが、その時々で利用者に役割を伝えながら、得意な人は不得意な人をサポートして、そこにいる利用者全員が笑顔になれるように努めています。

以前、レクリエーションの大先輩がいて、利用者に対して「先生」というポジションを頑なに守る方がいました。

しかし、こみちがレクリエーションを担当するようになって、時に利用者から教えてもらい、介護士も一緒になって楽しむようにしています。

みんなでホットケーキをホットプレートで焼くというレクリエーションをした時も、焼くのは利用者でも家事が得意な人たち。

焼いたホットケーキをお皿に並べるのは、手先が動かせる利用者。

さらに、ホイップやアイスクリームを添えるのは、力のある男性利用者。

そんな感じで、いろんな作業をみんなで担当して完成させたホットケーキを、一緒に食べたりします。

下手や失敗は問題ありません。

それ以上に、みんなで作りあげる中で、社会性が生まれ、施設生活に変化が生じます。

施設生活にピリオドを迎えて、晴れて自宅復帰される方もいれば、入所して数日でまだ勝手gsわからない利用者もいます。

ショートステイで入所した人は、数日間しかいませんが、その間に何度かあるレクリエーションがいい思い出となれば嬉しいのです。

少なくともレクリエーションが介護士の「義務」になっているなら、思い切って無くしてもいいでしょう。

でも、実際に行ってわかったことですが、上手であることよりも、楽しむ意識の方が大切です。

そのためにも、いろいろな立場の利用者が楽しめる仕掛けが重要になるでしょう。