資格の分類
取得したい資格が「業務独占」に該当するなら、その資格を取得しないと仕事ができません。
医師や弁護士などの資格が該当します。
一方で、介護福祉士などは「名称独占」と呼ばれ、「私は「介護福祉士」です」と有資格者であることを明示できます。
つまり、その資格が無くても働くことができるのが、「名称独占」資格というわけです。
正直な話、これから中高年の人が資格を取得するなら「業務独占」に分類されるものから選ぶ方がいいでしょう。
危険物取扱者や電気工事士なども業務独占資格です。
その意味では、介護福祉士が名称独占資格ということで、「無くても変わらない」とか、「少し給料が安くなるだけ」と思ってしまうかもしれません。
実際、介護福祉士になるには、実務者研修や勤続3年以上など、いくつかの条件があるので、未経験から始める人には簡単ではないからです。
介護業界ではどうなっているのか?
介護施設が介護保険制度の規定より、利用者にサービスを提供すると「介護報酬」が得られます。
その金額は内容が同じなら、どこの施設も原則同額なのです。
少し理屈の話をすれば、安い給料の介護士をより少人数で同じサービスを提供できれば、施設としては「多く儲けられる」ということになります。
しかしその傾向が続くと、介護サービスはどんどん質が低下してしまいます。
そこで、介護施設には「加算」という形で、規定の条件を満たせば、基本報酬以外の収益を加算して得られます。
そのようなルールにすることで、より質の高いサービスを提供できる施設を評価しています。
「サービス提供体制強化加算」とは?
施設に設けられた「加算」の一つが、「サービス提供体制強化加算」となります。
その内容は、簡単に言えば「介護福祉士」の有資格者が全体の何割を占めるかという話。
つまり、有資格者がたくさん働いている施設が加算されるのです。
そうなれば、採用面接で介護福祉士を持っているかいないかで、施設の担当者は「サービス提供体制強化加算」を思い浮かべるでしょう。
もちろん、面接での応対も採用の条件となりますが、「有資格者」故の意味があるのです。
現場での働きぶりというのも実際には大切なのですが、事務的には有資格者の割合のような条件を満たすことの意味もまた重要という話です。
その事実を知っていれば、施設側の採用基準に介護福祉士を持っていることが有利なのは想像できるでしょう。
業界経験が長いことも即戦力になると想像できますが、「介護福祉士」という資格にはそんな価値が秘められているのです。