「介護福祉士」に価値はあるのか?

 そもそも「有望な資格」などあるのか?

例えば、司法試験を突破し、晴れて「弁護士」を名乗ることができたとしましょう。

「司法試験」と言えば、「公認会計士」や「医師」などと並ぶ日本でもトップクラスの難しさです。

それだけに、一回で合格することができずに、何年か掛けて「合格」を掴む人もいるのです。

そこで、ポイントとなるのは「弁護士として扱うことになる唯一無二の依頼で失敗は許されるのか?」ということ。

何が言いたいのかというと、どうして司法試験に一回で合格出来なかったのかというところです。

合格後に研修を受けるとしても、「受けた仕事の何がポイントになるのか?」をいかに効率よく処理できるかが弁護士として問われるとしたら、「原石」ではあっても磨いてこそ輝く逸材なのでしょう。

というのも、高校時代に勉強がとてもできる友人がいて、彼は部活もきっちり3年間やり通して東大に合格しました。

むしろ、模試では彼より成績が良かった連中が軒並み不合格や志望校変更をしたにも関わらず、彼のような資質を持った人は「何が問われているのか?」を絶対に外さないのでしょう。

それは弁護士として仕事をするうえでも大切で、話すべきことと話さずに済ませるべきことをどんな場面でも間違えません。

でも、この能力は本当になかなか身につけられるものではなく、それこそ東大を出て知識が豊富な人でも、仕事に向かないのは「それ」をできないからです。

例えば「介護福祉士」はどうか?

司法試験と比べれば、介護福祉士は合格しやすい資格に分類されるでしょう。

「合格しやすい資格」という意味は、「一般人が通常の努力をすれば、合格に必要な知識を準備できる」ということです。

それに比べて、司法試験をはじめとする難易度の高い資格は、そもそも出題範囲が広く、すべてを学習まで数年が必要だったり、暗記だけでは対応できず、問題を解くテクニックを学ぶ必要があったりして、資格取得に求められる条件が厳格です。

例えば、一流と言われる大学から大手企業に新卒で入社できた人は、順調に出世できれば30歳で年収1000万円を優に超えるでしょう。

司法試験に合格するまでに大卒後に5年を費やし、さらに数年の弁護士事務所での見習いを経て、そこから独立して稼ぐとしても、純利益で1000万円を得るのは試験以上に難しい話です。

ところが大手企業にいれば、安定した収入が約束されるでしょうし、自営の不安感もありません。

確かに人生の価値など収入だけではないので、それぞれの考えで後悔なく生きればいいという話ではありますが…。

ここで言いたいのは「有望な資格」があったとしても、それだけで稼げるような都合の良い資格はありません。

なにより「何を問われているのか?」に答えられることができるか否かの方が、社会人としてはもっと大切というわけです。

介護業界でいうと、介護保険制度によって施設の収益が固定されているので、利用者からの要求にすべて応えることがそもそも難しいのは当然です。

介護士として働く場合も、問われたことをある水準以上にできれば、それ以上のサービスは本来なら報酬次第となるでしょう。

しかし、それ以上をしても、報酬が増えない現状に介護士はどうモチベーションを保つのかが問われます。

ある意味、施設のためにと苦労しても、それによって報酬が変わらないなら、何のために頑張っているのかとなるでしょう。

ただ、中高年になると損得勘定だけでなく、働ける場所が与えられるならと頑張っている人も少なくなく、逆に中高年で介護士を続けるのは、介護の仕事に自分なりのやり甲斐を感じている人たちです。

「介護福祉士」に価値はあるのか?

これから介護業界で働こうと考えている人に言えるのは、これまで資格を取らずに来たのなら、「介護福祉士」を持っていても損にはなりません。

というのも、資格によっては一定年数で「更新」が必要となり、その度に時間を割いて研修を受けるだけでなく、その費用も自腹だったりして、資格を維持するのが大変になることもあるからです。

受験料の他に登録費用などもかかりますが、「更新費用」などが掛からないので、経済的な負担が増すことはないでしょう。

例えば人気の宅建などは5年ごとの更新費用が必要で、更新期限を過ぎると有資格者ではなくなり、そのまま業務を続けると罰則されます。

つまり、再び宅建士となるには法定講習を受けることが必須となります。

そう言った厳格さがなく、介護福祉士は維持しやすい資格なのもおすすめできるポイントです。