「ジャンケンの法則」と命名したい!?

 ビジネスにおける「ジャンケンの法則」

以前、このブログで先輩介護士が退職されることに触れた。

そこで介護施設としてどんな影響が出たのだろうか。

現場を仕切り、グループをまとめることができる介護士がいる時間帯はとても安心感があります。

しかし、報酬という面では異業種に比べて十分に評価されているとは言えません。

再三触れていますが、介護保険制度だけを活用した運営をする限り、介護報酬だけになるからです。

一つには、介護施設が介護保険制度への依存を断ち切り、一般的な会社同様に収益を確保することができるかがポイントです。

でもそれは介護施設が「株式会社」の場合で、「社会福祉法人」の場合には難しいでしょう。

限られた原資を使って他の介護施設と競争しなければいけないと考えた時、人件費とやりがいのバランスをどう維持するかが重要です。

すでに説明したように、仕事ができる介護士に例えば時給3000円を出すことは難しい話です。

つまりは「やりがい」を感じられる職場作りに努めることで、仕事を楽しんでもらうことで有能な介護士を引き止めることが重要になります。

また、まだ完全ではない新米介護士が、そんなベテラン介護士の仕事を見て、同じように仕事を覚えてくれたら、職場としては様々なフォーメーションが可能となり、それはつまり個々の介護士の負担を軽減させられます。

そんな中で、施設長の立ち位置を考えた時に、「こだわりの強いワンマン」にするならスタッフには理想的な介護サービスに幻想を抱かせるくらいの強さが不可欠です。

そうでもないと、安い報酬で施設長のわがままを聞くしかないと判断され、仕事ができるスタッフほど離職してしまうからです。

または、施設長がとても腰の低い雰囲気で、例えば新人スタッフにもフレンドリーで嫌味がない振る舞いを通せれば、きっと入職したばかりのスタッフはアットホームに感じるでしょう。

しかし、介護現場に立てば、先輩介護士からはアレコレと指摘されて、厳しい指導を受けることもあります。

つまりここに「ジャンケンの法則」が成立し、施設長<新人スタッフ<先輩介護士<施設長と続きます。

これが、施設長が前に出過ぎると、新人スタッフになぜ謙るのかに気づかず、時に横柄な振る舞いや軽視する雰囲気を感じさせます。

そのような施設ほど、成長した介護士の離職を食い止めることができずに、サービスの質を保ちたいと思いつつ、内情は減っていくスタッフにともない、業務をカットするしかなくなります。

そのような状況が続くと、利用者の移動が増加し、これまた収益確保が困難です。

これが、保険会社なら、保険外交員にしっかりと見返りを提示することで、個々のやる気を保つことができます。

期待通りに頑張れないスタッフには、事情を説明し、離職を提案したり、営業方法に関する研修を受けてもらうなどのサポートも可能です。

スタッフの離職で現場が回らない状況になったら

例えば、スタッフ不足で残ったスタッフの負担が増せば、場合によっては残ったスタッフの離職にもつながるでしょう。

そうなれば、負のループになり、施設運営に大きなダメージを与えます。

実際には、派遣スタッフなどを迎えることで対処することになりますが、人件費の急激な増加が施設の利益を圧迫するでしょう。

本来ならその段階に陥る前に、スタッフの確保と教育、将来的な満足度をしっかりと理解してもらい、長く勤務してくれる環境作りに力を注がなければいけません。

そうならないように、施設長や運営陣が、どう運営するべきかを考える必要があります。

その場合に、理論や理屈で考えることをやめ、スタッフのやりがいにどこまで真摯に向き合えるかが問われます。

中には横柄な態度のスタッフも出て来るかもしれません。

しかし、それを嫌ってマウントを取りに行くと、結局は離職されてしまい、人材不足に陥ります。

「ジャンケンの法則」を理解すると、それぞれが意識することが異なっていると分かります。

まだまだ気づかずに、役割を間違えた態度に出ていることもあって、そんな施設ほどカツカツな運営に終始しているはずです。