ある先輩介護士の退職から介護現場の未来を考える

 介護士の退職

ここ最近、いろんなことがありましたが、比較的スタッフの離職は止まっていたように感じます。

しかし、ある先輩介護士の退職を聞き、しかも数ヶ月前から落ち込んでいたことに薄々気づいていたので、話を聞いた時は「退職ですか?」といきなり結論をこちらから発してしまいました。

退職理由は「両親の介護」というものです。

この理由は、施設側が引き止められないこともあり、中高年の離職理由としてオーソドックスでしょう。

個人的にあまりプライベートな話題は好まないので詳細は不明ですが、施設までの通勤距離もあったらしく、しかも以前は仲が良かった別の介護士とも距離があって、両者に何かあったというよりも「趣味でも変わったのかな?」と軽く感じていました。

その意味では、ある程度のスキルを身につけたら、どこに行っても働けるのが介護士の強みなので、離職を決めたスタッフを引き止めることも施設ではあまりしないでしょう。

何より、そんな話を聞き、ふと別の部署の顔ぶれがここ最近で変わっていることも感じ、それがコロナ禍の影響なのかは分かりませんが、気づかない間にいろいろと変化しているように思います。

介護施設という場所柄

スタッフにしても利用者にしても、人生はそれぞれのものです。

スタッフの離職もあれば、利用者が施設を移動することも珍しいことではなく、今月も入所と退所が何回か予定されていて、「さようなら」と「はじめまして」がいつもあります。

施設には表には出てこない理由から退職されるスタッフもいると聞きます。

以前、同じ部署で働いていたスタッフが別の部署に異動となり、しばらくはその姿を見掛けていましたが、その内見かけなくなり、気づいた頃には退職されて数ヶ月が経過しているという話だったりします。

未来に向かって

こみちにしても、施設との距離をとり、ダブルワークに切り替えて勤務を継続しているのが実情です。

資格を取得したら、離職するかもしれませんし、働き方を見直すかもしれません。

辞めるのは簡単ですが、そこで何も得ないままでは前に進むことはできません。

資格取得も1つですが、何か作業をマスターしたことを節目にしてみるのも方法でしょう。

いずれにしても、自分の人生なので、どんな風に生きても良いとは思いますが、後悔しない生き方をして欲しいと思います。

実際、介護士の退職など特別なことではありません。

それは異業種と比べても驚くほど頻繁だからです。

すでに退職日まで決まった段階なので、もうしばらくすれば有給休暇の消化に入るので、直接顔を合わせるのも、実質的には数回程度でしょう。

「今までありがとうございました」

そんな風に挨拶をすれば、その先はもう顔を合わせることもないでしょうし、それぞれの人生を歩んで行くしかありません。

出会わなければ感じなかったその人との時間ですが、こうして別れが決まってしまうと、何度、経験しても慣れることはないでしょう。

利用者とも同じで、つい最近も何名かとはお別れも言えないまま別れが来ました。

久しく見なくなったと思ったら、施設から退所されたり、お迎えが来たりで、それぞれの人生を生きているのです。

実際、こみち自身も吹っ切れたことで職場復帰できたところもあります。

ダブルワークに切り替えることが必須でしたし、職場への関与を減らすことで元気になったとも感じます。

「よかった。最近、元気になって」

そんな風に感じる時、実は回復ではなく、再生だったりするのかもしれません。

「辞める」と決めたことで、気持ちが楽になったのなら、それも仕方ない話なのでしょう。

いずれにしても、退職される先輩介護士には、本当にいろいろことを教えてもらいましたし、感謝しかありません。

本当の理由はもう今となっては聞いても意味がないですし、そこを深掘りする理由も見つかりませんから、ここは「お疲れ様でした」と笑顔で見送れたらと思います。

でも、介護士の退職って本当に早い。

新しい一歩が、新たな幸せの幕開けになるように願うしかありません。